影法師

紹介文

 「泣くな」父が討たれた日、初めて出会った少年は言った。
 「まことの侍の子が泣くな」

【あらすじ】
舞台は長く戦の無くなった江戸時代にある茅島藩という小さな国。
武士の中で一番身分の低い下士の家に生まれた戸田勘一(後の名倉彰蔵は往来で中士に父を切り殺され、
母と妹の三人で辛く苦しい幼年時代を過ごす。
藩校に通うことになった勘一は、父が殺された際に手助けをしてくれた磯貝彦四郎と再会。
二人は生涯の友の約束を交わし、お互いの夢や将来について語り、強い絆で結ばれていく。

誰もが羨むほどの才能に満ち溢れた彦四郎と、人一倍努力を重ねる勘一は、それぞれの道で少しずつ実績を残していく。
しかし、”ある出来事”を境に彦四郎は落ちぶれ、勘一は思いがけず栄達していく。
やがて、筆頭国家老までになった名倉彰蔵戸田勘一は、彦四郎が不遇のまま病で亡くなっていたことを知る。
深い悲しみとともに”あの時なぜ”という疑念が残る。
そして過去への糸をたぐっていったその先に、ある大きな真実を知ることになる。

 最後の一文です。
 「彰蔵は両手で土を掻き毟り、犬のような咆哮を上げて、ただ泣いた」

【感想】 
 あまりお勧めしたことがない歴史物ですが、読む価値があります。
 私にとっては、心が締め付けられるほどとても切なく、
 目頭が熱くなるのを押さえられないほど胸を打たれた物語です。

 

 

 

 

 

 

詳細

  • 生徒★★★   保護者★★★
  • 影法師
  • 百田尚樹
  • 講談社文庫 ¥660+税

 

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