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子供に質の高い日本語を
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月に一冊も本を読まない大学生の割合が五十%を超えたという調査がありました。
そんな知的向上心に欠ける国民に未来があるのかと疑念が湧き上がります。
本を読むことは知的向上心の表れであり、向上心を高めるステップなのです。

本を読むと、もっと知りたい、分かりたいという好奇心が高まります。
それが新たな読書活動と連動していきます。

本を読まない人が増えているというのは、難しい本を読むだけの国語力が身についていないからでしょう。

小学校のうちはみんな割と読書をしますが、中学以降に読まなくなる。

小学生が読むような物語は少ない語彙でも対応できますが、大人の本になると語彙が急に増えて
、扱う対象も多様になってくるためです。

その時に知的好奇心を持って立ち向かえるかどうかなのですが、
それができないというのは、小学校の国語教育が低下している証拠です。

特に小学校の一年から三年までは新しいものに出合う重要な時期です。
その時にレベルの高い国語に出合うことが大事なのです。

大人の国語がどんなものかを知り、それをこれから学んでいくのだという覚悟を決めてもらう。
寺子屋では知識もないのに返り点を打った漢文を読んでいました。

でも、子供はそれを負担に感じませんでした。
意欲に溢れて、難しいものにも積極的に取り組んでいきました。
そうした能力は現代の子供も持っているはずです。

高度な情報化社会に生きているいまの小学校一年生の知的水準は、
昭和三十〜四十年代の子供に比べると、ずいぶん高いと思います。

iPadやスマホなども簡単に操作します。

それだけの知能を持っているのですが、学校でそれが大きく育つような栄養が与えられていないのです。

土台づくりは重要です。

例えば砂場で山をつくる時に、土台を小さくしてしまうと小さな山しかできませんが、
土台を広く大きくすれば、その分、大きな山がつくれます。

本来、その広く大きな土台をつくるのが、小学校一年の国語教科書です。
それが十分でないというのが問題なのです。

小学校の子供は意欲に溢れています。
中学以降は、小学生特有の素直さが若干薄れてきて、勉強する子、しない子に分かれてきます。

ですから、みんなが向学心を持って取り組みやすい小学校の間に、
より高いレベルの言語能力、母語能力、日本語能力を育成することが
国家の土台づくりにも繋がるのです。(※次回へ続きます)

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