「主人公を育む小学校」加納光著(非売品)から紹介します。
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「あほかしこ」と「かしこあほ」

 関西には「あほかしこ」という言葉があります。
「負けるが勝ち」とか「正直者は得をする」という意味で使われているようです。
 例えば、以前にガスストーブの製造問題で、「松下電器(パナソニックの旧称)」が「謝罪」を入れていました。
この時、松下電器は賠償責任を徹底的に、自己責任として対応しようとしました。
 企業運営の立場から見ると、なんと膨大なマイナスを生み出すのだろう・・・と考えがちですが、
結果的に「まさかの時に、一生懸命対応する松下電器の製品は間違いない。」と、
松下電器のブランドがついている製品の売り上げは、確実に上がった事実があるのです。

「あほかしこ」があるのなら、逆の言葉の「かしこあほ」が存在してもおかしくありません。
「自分は間違っている」と最初にバカになって一生懸命に対応するのが「あほかしこ」なら、
その逆は「自分は間違っていない。」と最初に「かしこぶる」のが「かしこあほ」になります。
企業で言えば、以前に消費期限の偽装をしたりした不二家、雪印食品、赤福など数えたらきりがありません。
自分がお客さんの立場でいる時は、これらの時に客観的になれます。
テレビのニュースを見て、 「あぁ・・正直にあやまればいいのに・・」と思うのですが、
いざ自分が悪者になりそうになった時に、 「本当に自分が間違っていると認められるのか?」
これは大きな課題になると思います。
何かトラブルがあった時「ごめん、私が悪かった。」そう言える人の方が少ないのです。
ついつい「私は悪くない・・・。だって・・・。」と言い訳をしてしまう「かしこあほ」になってしまう・・・。
これは、きっと知らずに「身についた悪いクセ」ではないかと思うのです。
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どうせなら、「あほかしこ」になりたいですね。

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