月刊誌『致知』2021年4月号「稲盛和夫に学ぶ人間学」から紹介します。
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稲森和夫さんは京セラを創業し、日本を代表する企業に育て上げ、KDDI立ち上げやJALの再建に力を尽くしました。
その稲盛氏が、母校である鹿児島玉龍高校の生徒たちを相手に語った特別講話の一部をお届けします。

(中略)

(稲盛)
人間の心、「思い」というものは、これほど素晴らしい力を発揮するものなのです。
京セラにしても、KDDIにしても、また日本航空にしても、
決して初めから成功が見えていたわけではありません。

いずれも、最初は空想みたいな「思い」、何としてもやり遂げようという「思い」から始まっていったものです。

 しかし、その「思い」を強く抱き、誰にも負けない努力を続けることで、
空想みたいな「思い」だったものが、想像を遥かに超えた素晴らしい未来をもたらしてくれたのです。
「思い」というものは、そのくらい素晴らしく、強いパワーを持っています。

 ですから、ここにおられる皆さんは、人間の持つ「思い」は必ず実現することを信じるべきです。
「こんなことを思っても高望みではないか」「どうせ実現しないだろう」などとは、決して思ってはいけません。

 できるだけ高邁な「思い」、崇高な志を持って、その高い目標に向かって必死の努力をしさえすれば、
必ずその「思い」は実現していくはずです。

同時に、それが「世のため人のために尽くす」といった純粋で美しい「思い」であれば、自分の能力を超えて、
周囲の人々、さらには自然の力をも得て、実現していく可能性は高まっていきます。

 ただし、いくらいま強く思っても、すぐに実現するわけではありません。
やはり時間がかかります。
私はいま82歳になりましたが、これまで社会に出てから、60年以上も「こうしたい」
「こういう人間になりたい」という「思い」を持って必死に努力を続けてきました。

そしてその結果、いまは素晴らしい人生を全うできたと思っています。

  (中略)
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まずは「思い」を持つことです。
「思い」をもって、そして行動することが一番重要なのです。

 

 

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