志賀内泰弘さんの「ギブ&ギブメルマガ」から紹介します。
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他人から親切にされることがあります。
その人に、その恩を返したいと思うのは、人として当然のことでしょう。
でも、その人に恩を返せないこともあります。
気持ちはあるのだけれど、なかなか行動に移せないこともあるでしょう。
いや、その人がどこの誰だか、名前もわからないということもあります。

新聞にこんなコラムを見つけました。
これぞ、誰でもできる「恩送り」の一つの形ではないか。
転載して紹介させていただきます。
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「親切のつながり」(浜松市中区=主婦・49歳) 

久し振りに乗ったバスの中。後ろの方の席が空いていたので座った。
座席は満席だったが、立っている人はなく、バスは発車した。

 次の停留所で、五十歳くらいの女性が乗り込んできて、
入り口付近に立つと、その近くに座っていた高校生ぐらいの
男子が立ち上がり「どうぞ」と席を譲った。

女性はちょっとびっくりしたような笑顔になり
「ありがとうございます」と言って、席に座った。

その男子も笑顔で軽く頭を下げたあと、少し前の
方へ移動して、手すりを握って立っていた。

 停留所を二つか三つ過ぎたとき、高齢の女性が乗ってきた。
すると、先ほど席を譲られた女性がすくっと立ち上がり、
高齢の女性に「どうぞ」と笑顔で席を譲った。

そして、手すりを持って立っている男子のそばに行って、
男子と笑顔で目を合わせていた。

二人は別々の停留所で降りていったので、
知り合いというわけではなさそうだった。
私は、二人がつないだ親切の連鎖を見て、心が軽くなった。

ためらいなく行動できる彼らに
「私も自然に体が動く人間になろう」と、

心の中で奮起させてもらった。 
(2017.1.13中日新聞朝刊「くらしの作文」より)
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「親切の連鎖」という言葉もステキですね。
この連鎖が、ずっとずっと繋がれていったら、
どんなに住みやすい世の中になることでしょう。

「恩送り(おんくり)」は、誰でも、どこでも
簡単にできることを教えていただきました。

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