「365日の親孝行」(リベラル社)という書籍があります。
その「帯」のコピーが、「父さん お母さんに あと何回 会えるだろう」
というものです。いったいどういうこと?
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そして、こんな数字が続きます。
15年(親の余命)×2回(1年に会う回数)=30回(会える回数)
書店さんに、わざわざ買いに行ってくれた友人は、この数字を見て、
ドキッとして立ち尽くしてしまったそうです。

なぜなら、母親は75歳。父親は、早くに亡くなっているので、田舎で一人暮らしをしているといいます。
新幹線とバスを乗り継いで、半日くらいで帰れる。

でも、このコピーにあるように、年に2回か3回しか帰らない。
もちろん、電話はけっこうひんぱんにかけるけれど、去年は一度しか帰らなかった。

「あまり病気をしたこともなくて元気な方だけど、人はいつ何が起きるかわからないし。
私の方が病気で先に死んでしまうことだって考えられます。
もっと、もっと、田舎に帰らなきゃと思いました。

できることなら、こっちに呼び寄せたいです。
でも、田舎を離れたくないって言って強情だし。
かといって、仕事があるから、私が田舎に引っ越すわけにもいかないし」
だから、胸が締め付けられるようで、苦しくなったそうです。

親しい書店員さんが言います。
「僕も転勤族です。こうして、数字を突き付けられると、考えてしまいます。
親って、口うるさいし、正直、離れて暮らすようになってホッとしている部分もあります。

でも、ケンカしているわけじゃないし、親孝行もしたい。
でも、具体的に親孝行なんて、した記憶がないんですよ。

あと何回会えるだろう・・・なんて考えたこともなかったです。
とりあえず、今夜にでも電話してみようと思います」

そうなんですよね。誰もが仕事のことで頭がいっぱい。
親のことは二の次になりがちです。

本を書く前の取材で、友人がこんなことを言っていました。
「僕は、一度も家を離れたことがないんです。
妻と結婚して、最初から両親と同居しました。
だから、親がそばにいるのは当たり前と思っています。
でも、よくよく考えると、親孝行って何をしたかなって。

子供が二人いるんですが、その子たちの誕生パーティはしてきましたが、
お爺ちゃん、お婆ちゃん・・・つまり両親の誕生日には何もしてません。
まあ、せいぜい、母の日と父の日にプレゼントするくらいかな。

妻が、両親の誕生日に好物を夕飯に並べてくれたりはしますけど。
故郷を離れている人の方が、ひょっとしたら親孝行しているんじゃないですか。

僕は、親が近くにいるから、反対に『いつでもできる』って思いこんでるからダメなのかも」

けっして脅すわけではありません。
でも、「あと何回会えるだろう」と考えてみることで、親への感謝の気持ちが沸き上がるかもしれません。
「いますぐ」できる親孝行もいろいろあるはずです。

「あと何回会えるだろう」ここに、数字を当てはめてみるところから、親孝行を考えてみてはいかがでしょうか。
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余命年数(平均寿命が男性81歳、女性87歳−あなたの親の年齢)×帰省する回数/年=○○回

この冬休みにおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行ってみませんか。

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