高木善之さんのオーケストラ指揮法から紹介します。
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 悩みや怒りは、その人の価値観(ものさし)によって生じます。
「こんなに努力しているのに」とか「約束したのに」とか、
「愛しているのに」などの思いが自分を苦しめるのです。
 これらの思いが相手を責め、トラブルをおこし争わせるのです。

 幸せか、不幸せかも自分の価値観(ものさし)によって自分が決めているだけなのです。

 いい悪いも「ものさし」によって決まる価値観です。
「ものさし」が変わればいい悪いも変わります。
「ものさし」がなくなればいい悪いもなくなります。
 
 ある人がいいと思っていることがある人には悪いことであったり、
ある時代にはいいとされていたことがある時代には悪いとされたり、
いい悪いは「ものさし」によって変わるのです。

 殺すことは悪いことと思われていますが、戦争では敵を殺すことはいいことでした。
戦争が終わったとき、敗戦国の殺人者は処刑され、戦勝国の殺人者は表彰されます。
 また、死刑を宣告する裁判官は悪い人なのでしょうか。
死刑執行人は? 犯人を射殺した警官は?
その犯人が無実であれば?
 また、アラブでは「目には目を、歯には歯を」が正義ですが、
もしこれを日本で実行したとしたらどうなるでしょうか?

いかがでしょうか?
殺人すら場所によって、時代によって、いい悪いが変わるのです。
いい悪いは「ものさし」によって変わります。
「ものさし」があるからいい悪いがあるのです。
「ものさし」がなければいい悪いもありません。
いい悪いはその時代の支配者が自分の都合のいいように決めたのです。

おわかりでしょうが、私は「何をしてもいい、ルールを守らなくてもいい」
と言っているのではありません。
自分がいかに固定観念にとらわれているか、それがいかに自分や周りを
縛っているかに気づいてもらいたいのです。
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「こうしなければならない」という考えからぬけだすと、自分がすごく楽になりますよ。

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