「コトバの力」で何度も紹介している児童精神科医の佐々木正美さんの
『やすらぎ子育てアドバイス』から紹介します。(㉗の続きです。)
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自閉症の研究で有名なアメリカの児童精神科医レオ・カナ―は
「親の子どもへの過剰期待は、それが子どもの将来を案じての愛情、
思いやりのつもりであっても、子どもに伝わるメッセージの本質は
『拒否』だ」と書いています。
 私は、カナーに教えを受けた恩師から「子どもの精神保健、
教育にたずさわる者の基本」として、この考え方を教わりました。
 過剰期待とは「現状のあなたに満足しない」ということであり、
「満足しない」という部分のみが子どもに伝わりやすいのです。
 子どもは、「信じられていない、愛されていない、受け入れられていない、
拒否されている」と感じると、親や大人に信頼を寄せられないばかりか、
自分も信じられなくなります。
「信じられていない自分」のことを、自分でも信じられないのです。
だからこそ、親は子どもの「ありのまま」を
受け入れてあげることが何よりも大切なのです。
(㉙に続く)

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