致知出版社の人間力メルマガから紹介します。
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大仏師が教える時間の使い方

大仏師・松本明慶さんが彫る仏像は、一つの表情で
喜怒哀楽のすべてが表現されていると言われています。
日本を代表する仏師である松本さんが20代の若者たちに
時間の使い方を伝授されています。
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(松本)
4歳年下の弟の無念な死を契機に17歳で仏像を彫り始め、
瞬く間に60年が経とうとしています。

一般の方々とは異なり、出発点が悲しみの底にありましたので、
私の体験談は参考になるのだろうかと考えます。

しかし、いつの時代でも生きている時間、働ける時間は決まっています。
1日24時間は誰にも公平。
ですから若い人は特に〝命〟とは何かを考えてほしいのです。

父母からもらった大切な命、
それを私は時間だと思っています。

その大事な時間をどう過ごすかが、人生なのです。 

私は年に2度ほど、大学で話をしています。
先日、「どうしたら先生みたいに人を上手に指導できますか」
と質問してきた生徒がいて、

「君はなれると思う」と即答しました。
そして、「そのためには皆の努力の3倍踏ん張りなさい。
つまり、人の3倍の仕事をやってのけないと、人はついてきません」と伝えました。

自分は動かずに、こうせいああせいと、
指示をしたところでうまくいきません。

まず自らが一所懸命汗水流して努力してこそ、人はついてくるものです。

 〝3倍の力〟を伝えるためにこんな話をします。

1日を3で割ると8時間という数字が出てくるでしょう。
最初の8時間は誰よりも競争心を持って仕事を頑張りなさい。
「人との競争」と皆さん勘違いされますが、
競争するのは誰でもない「自分」です。

もう一つの8時間は休息の時間。
ぐっすり寝て、十分に休みなさいということです。

そして残りの8時間が一番大切で、この時間を
どう使うかが人生を決めると言っても過言ではありません。

仕事の後に遊びに行くのか、それとも1時間でも2時間でも1人で腕を磨くのか。

その小さな努力を1年も続ければ、必ず大きな差となって表れるものです。

 ですから、環境が悪かった、親が頭よく生んでくれなかった
と嘆くよりも前に、自分に与えられたその8時間をどう過ごすかです。

怠けて過ごして、それで結果が出ないと嘆いても、
誰も助けてくれる人はいません。
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世界中の人々に平等に与えられた「8時間」。
あなたはどう過ごしますか。

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