志賀内泰弘さんの「プチ紳士からの手紙」の最新号に
「急ブレーキの電車の中で」という記事があります。
筆者は以前、今治明徳中学校に講演で来ていただいた木下晴弘師匠でした。
そのことを上田情報ビジネス専門学校のブログ比田井通信に掲載されていました。

木下さんが体験した話を紹介します。
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「急ブレーキの電車の中で」

2月上旬、木下さんが電車に乗っていたんですって。
空席はそんなになかったようですが、
立っている人はまばらな、そんな車内だったそうです。

木下さんは吊り革につかまって立っていました。
車内の様子を観ると電車に揺られながらうつらうつらしているおばちゃんや、
スマホを凝視している若いビジネスマン。

まぁ、ラッシュの時間帯を過ぎた、居心地の悪くない普通の車内だったそうです。

 木下さんが「人間観察」をしながら乗っていると、
電車がある駅に着きました。

すると、幼稚園の年中さんぐらいの子ども達が10名ちょっと、
2人の女性の先生に引率されて乗ってきました。

 年中さんの子どもたちが電車に乗ったら、はしゃいで、
そりゃ、もぉ、一気に車内は賑やかになります。

 こんなとき、大阪のおばちゃんは、放っておきません。
「みんな、どこ行くの?」って聞きます。
子どもたちは「かいゆーかぁん!(海遊館)」と元気よく答えます。

引率の先生は「静かにしなさい!申し訳ありません。」と恐縮してます。
おばちゃんはそんなことおかまいなしに、
「あぁそう、海遊館にいくのぉ~。好きなお魚はなぁに?」なんて聞くんです。

ほとんどの子どもたちは「ジンベーザメェー!」と元気よく答えるんですが、
ひとりだけ小さな声で「サンマ・・・」と答えた子がいたそうですが、
多分、誰も気づいていません。

木下さんだけは聞き逃しませんよ。
もう、笑いをこらえるのに精一杯だったそうです(笑)

そんなやり取りをしていると、突然、電車が急ブレーキをかけたんです。

 木下さんは必死に吊り革につかまりました。
それぐらいの急ブレーキだったんです。

次の瞬間・・・、
座っていた大人たちが一斉に中腰で立ち上がって、
倒れかけている子どもたちを支えたんです。

結果、誰一人、転倒することなく、子どもたちは無事でした。

 「いや~、危なかったなぁ」「ケガはない?」「大丈夫?」
そんな言葉が車内を飛び交いました。

あのスマホを観ていた若いビジネスマンも一人の子を支えていました。

 その後の車内は、いつ電車が揺れても子どもたちを支えられるよう、
大人が子どもたちを見守っていたそうです。

若いビジネスマンは そのためにスマホを鞄にしまいました。

 そんな話です。

大阪の人たち、いい人達ですよねぇ~。
引率の先生も嬉しかったと思うんです。

こんなご時世だからこそ、「気遣う気持ち」 「思いやる気持ち」
大事ですよね。

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