この3連休は各都市で成人式が行われました。
今治市や西条市もほとんどが昨日12日でしたね。
本校の卒業生のみなさんも成人式を迎えました。
昨年も紹介しましたが、成人の日を迎えた卒業生のみなさんに、
あるエピソードを紹介します。

「魂が震える話 ~人がひとを想うということ~」ゆう・けい 著 からです。
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成人式を迎えたある母子の話

成人式の日、それは美容室にとって、大いに気合いが入る日。
その年の成人式も、夜中の午前2時からお客様を迎え入れ、
リポD飲んで気合いを入れてから、手を休める事なく仕事をしました。

ようやくその日最後のお客様となり、成人式ヘアーをつくっていると、
ものすごく視線を感じました。
その先へチラッと目をやると、その子のお母様が、じ~っと見ているのです。
娘さんのヘアースタイルの出来をチェックしているのかな~と思い、

「よかったら隣で見て下さい。もう落ち着いたので、こちらに座っても大丈夫です。
近くの方がよく見えますよ♪」と言い、娘さんの隣に座ってもらいました。

しばらくすると、今度は鼻をすする音が聞こえてきました。
気を使いながら、その音の方をみると、
今度は涙をポロポロと流しているではありませんか・・・

なんて言葉をかけていいのか分からなかったけど、
「本当におめでとうこざいます。
ここまで育てるのも、大変な御苦労があったことをお察しします」

そして娘さんに、
「○○ちゃん、これからもお母さんの言うことをちゃんと聞くんだよ!
そして、これからは○○ちゃんが返す番だからね」

そう言い終わると、お母さんの嗚咽がお店の中に響きました。

まずい事を言ってしまったかな?と反省しながら成人式のヘアーと着付けが終わり、
その親子はお帰りになりました。

 数日後、娘さんが1人でお店にやってきました。
成人式の時のお礼にと、菓子折りをもってきて、話してくれました。

 実はお母さま、5年前に余命宣告されていて、
医者に言われたのが、もってあと2年・・・

娘さんが15歳の時なので、17歳の頃には旅立っている計算です。
その時お母さんは、口ぐせのように言っていたそうです。

 「あんたが成人するまでは生きていたい!
成人式で着物姿が見れたら、他には何もいらない!
それまでは何としてでも生きたい!」

必死の闘病生活だったそうです。

「だから泣いていたんですね。念願の着物姿が見れて」

すると娘さんが言いました。
「それもそうなんですが、もう一つ理由がありまして」

「どうしたの?」

「実は私、口うるさく注意してくる母が嫌いで、
高校卒業後、すぐに就職して引越したんです。

それからはほとんど連絡も取らず、好き勝手やっていました。
だから本当は成人式も出ないつもりでした」

「じゃあ、何で成人式に出たの?」

「20歳の誕生日のとき、母から手紙が来たんです。
その手紙には“ありがとう”って書かれていました。

 2年間、病気で大変な母をほったらかし、
ほとんど連絡も取らない私にたいして母は、
“もうそろそろお迎えがくるかもしれないそうです・・・
だから最期に言っておきたくて、
私のもとへ生まれてきてくれてありがとう。
あえなくても私は毎日あなたを思っていて幸せでした
本当にありがとう”

私は自分が情けなくなって、すぐに電話をしました。

“成人式の準備しといてよね!
それまでに死んじゃダメだよ”
泣きながら話していました」

「お母さん素敵だね。大切にしなよっ!」
そう言った僕も泣いていました・・・

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 成人の日を迎える卒業生の皆さん、
 成人、おめでとうございます。
 これからは、ひとりの大人として
 「自覚」と「責任」を胸に,
 未来を切り開いていってください。

 

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