北海道赤平市の「植松電機」専務取締役の植松努さん。
植松さんは、従業員わずか18名の小さな町工場から自家製ロケットを打ち上げ、宇宙開発の常識を覆した人物です。     植松電機は植松さんの父親が創業した会社。経営難だった同社を立て直した植松さんは、さらに2005年より北海道大学との共同開発で、長年の夢であるロケット開発に乗り出します。
そして、いまや世界最先端のロケット事業を行い、「NASA(米国航空宇宙局)より宇宙に近い町工場」として、世界中から多くの人が視察にくるようになりました。
 その植松さんは夢の見つけ方、将来、進路のことなど大切なことを全国の中学高校生に講演したり、書籍を出版したりしています。植松さんの言葉は普通の人と違い、心に響きます。

植松さんは本校でも以前生徒対象講演会に来てくださいました。
そのブログから紹介します。
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有名になりたい!と、真剣にいう子は、高校生くらいになると急増します。
おそらく、大人の喜ぶ夢を口にするのが嫌な反骨精神の人かもしれません。
でも、有名の具体例を尋ねると、せいぜい、スポーツ選手か、芸能人の話ししかでてこないです。
そして、有名になることのメリットやデメリットについては、 自分に都合良い情報しか集めていません。
(僕でさえ、休日に家に突然やって来る知らない人が多くて、家から出る時には、まずは窓から周囲を伺って、こそこそしないと行けないのですから、ほんまもんの有名芸能人は、それこそ忍者のように暮らさないといけないのだろうなあ、と思います。)

そもそも、有名って、どういう状態なのか?
そして、有名には、どうやったらなれるのか?

有名芸能プロダクションに入れば、有名になれるの?
そんなことないですね。
有名芸能プロダクションに、有名な芸能人が多いのは、 有名芸能プロダクションだからこそ、応募して来る人が多いので、そこからいい人を獲得できるからです。
もちろん、いい人材との関わりの歴史の中で、いい人材の伸ばし方のノウハウは蓄積されているでしょう。

野球の強豪校が強豪なのも、強豪故に集まる子が多いから、いい子を選べるからです。
部員200人の野球部なんてざらです。
高校在学中に一度も試合に出られない人もいるそうです。
でも、その強豪校に入るために、その子は、相当な努力をしてきたはずなのにね。可哀想です。 

有名人を見て、自分もああなりたい。
というか、ああしてほしい。と思うのは、かなりおかしいです。 

有名になるのは、努力の結果にすぎないです。
夢を追った結果、有名になるのです。
有名になる、が目的ではないです。 

もちろん、最近の芸能プロとマスコミが協力してでっち上げるようなアイドルを見ていると、
自分もそうしてもらえれば有名になれる、と思う人もいるかもしれないけど、
彼らだって、自分の時間などなく、スケジュールをこなすために死ぬほど努力しています。
それができる人が残っているだけです。
(アイドルの耐用年数の短さを考えると、職業としてはとても大変だと思います。)

誰かの夢を追った結果を自分の夢にしてしまうのは、間違いです。
それは、「有名」だけに限ったことではないですね。

いいくらし、とか、かねもち、とかも同じです。
誰かの賞賛の量を夢の大きさだと思ってはいけません。
そう思う人がいるから、賞賛をでっち上げるビジネスが成立します。

そして、夢の大きさは測れないです。
幸せの大きさを測れないのと同じです。
だから、自分の夢を誰かの夢と比べるのも非論理的です。 

夢とは、大好きなことややってみたいことです。
そして、それが社会のために役に立ったら、夢が仕事になっちゃいます。 

boys be ambitious.
少年よ、大志を抱け。
この言葉のおかげで、夢は大きくないとダメかな、と思っている人もいるかと思いますが、
そもそもambitiousは、ラテン語の「動く」を語源としているそうです。

だから、本当は、 「少年よ、大志をいだけ!」ではなく、
「少年よ、そこにとどまるな、前進せよ!」という意味合いが強いと思います。 

志には大小はありません。
夢にも大小はありません。

誰かの賞賛の量を夢とせず、 自分のやりたいことや大好きなことを追い求めることが大事だと思います。
(追い求める手段として、大学や専門学校があるのです。)
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一度じっくりと考えてみてください。

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