魂が震える話ブログから紹介します。
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私がよく真似をさせていただくお一人が、イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんです。
例えば、鍵山さんはスーパーやコンビニなどで食品を買うとき、
必ず賞味期限を見て、期限が切れる寸前のものをわざわざ選ぶそうです。
期限切れに近いものほど鮮度が低いですから味が落ちるし、
うっかりと冷蔵庫の中で腐らせてしまう危険が高くなります。
普通に考えれば、鍵山さんはわざわざ、損な商品を選んでいるわけです。
なぜそんなことをするのかと不審に思い、私がお尋ねすると、鍵山さんはこうおっしゃるのです。
「賞味期限が過ぎても売れなければ、店はその食品を廃棄処分しなければいけなくなります。
そうなればもったいないし、スーパーは損をします。でも、私が賞味期限前に買えば、それを防げますから。」
一日でも賞味期限の長い商品を選ぶのが常識でしょう。

でも、これは本当に正しいのか、私は考えてみました。
客の立場からすると、賞味期限までに日にちがたくさん残っている食品の方が鮮度がいいし、長い間保存しておけるから得のように思える。

けれど、これは本当に得なのか?
皆が同じことをしたとすると、スーパーはよりたくさんの食品を捨てなければならない。
その分、利益が減るので、自社の商品の値段を上げないと経営が成り立たない。
値上げすると、客は割高の商品を買うことになる。
値上げしないとスーパーは潰れて、客は近所に食品を売る店がなくなり不便になる。
社会全体を長い目で見ると、客にとっても賞味期限切れ食品が増えるのは損なのです。

鍵山さんは、社会全体を考えているから、一見、損なようで実は自分にも得になる買い物の仕方をしていたというわけです。

自分のことだけを考えていると、思わぬ損をしてしまう。
運を失うとは、こういうことのようです。
もっと、全体を見てみれば、思わぬ得をすることもありますし、運が開けてくるのだと、私は思っています。
    「運の良くなる生き方」(西中 務 著 東洋経済新報社)より

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