志賀内泰弘さんのメルマガ「ギブ&ギブ」から紹介します。
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すき焼き、しゃぶしゃぶで有名な三重県の四日市柿安では、毎月一度、スタッフ全員から女将宛に
「あったかシート」という名前の「感動した話」を報告してもらっています。
その中で、こんなに目が留まりました。ホールのAさんの報告です。
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私が、バイクでガス欠して立ち往生してしまった時のことです。
横を通り過ぎるバイカー達が、「大丈夫か?」と何人も声を掛けてくれました。
さすがにガソリン携行缶を持っているバイカーは、なかなかいません。
そんな中、一人のバイカーが、車体を傾けてペットボトルにガソリンを分けてくれました。
下手をしたら、自分のバイクがキズついてしまうかもしれないのに、見ず知らずの私のために。
それ以降、私は5リットルの携行缶を常備してバイクに乗るようになりました。
そして、なんと3人のバイカーの助けになることができました。
これからも困った時は、知らぬ者同士でも力を貸せる彼のように私もなりたいと思います。
* * * *
人から受けた「恩」を、その人に返すのではなく、他の人に回していくこと。
それを「恩送り」と言います。
例えば、路肩でハザードランプを点灯させて困っている車を発見。
どうやら、側溝に脱輪しているようで、車が傾いている。
急いではいるけれど、困った時は、互い様。
通りがかりの車が、3台も停車して、みんなでヨイッショ!と持ち上げる。
脱輪した車の運転手は、みんなにお礼を言う。
そして、「何か、お礼をさせてください」と。
すると、助けた3人が揃って、「なにもいりません。
もし、同じように困った人がいたら、その人を助けてあげて下さい」
これぞ、典型的な「恩送り」です。
四日市柿安のスタッフのAさんのスゴイところは、
「恩送り」をするため、携行缶を常備してバイクに乗るという準備をしていることです。
驚いたことに、なんと、3回もガス欠の人を助けたことがあると言います。
一口に「恩送り」と言っても「いつか機会があったら」と、
忙しい日々の中で、気持ちが薄らいてしまうように気がします。
Aさんの強い心構えに、頭が下がります。
小さな行動でも、一人ひとりの「恩送り」が広がっていったら、
誰もが住みやすい、真の意味での豊かな国になることでしょう。