致知出版社の人間力メルマガから紹介します。

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世界最短でミシュラン3つ星を獲得した料理人の米田肇さん。
一見、順風満帆に見える道のりにも、度重なる逆境と並々ならぬ努力があったといいます。
そんな米田さんが取材の中で語られた「三つ星」を取れる人と取れない人の差、というお話をご紹介します。
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「三つ星」を取れる人と取れない人の差
米田 肇(HAJIMEオーナーシェフ)
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三つ星を取れる人とそうでない人の差は、皆が頂点を目指して頑張っている中で、
細部にまでとことんこだわれるかが分かれ目だと思います。

よくスタッフが「ちょっと火を通し過ぎたと思うんですが、
どうですか?」って聞きに来るんですけど、
味見をすると全然ちょっとじゃないんです。

 病院の先生でも、体温がたった〇・〇二度上がっただけで
おおごとだと捉える方がいますが、そうした微差を追求できる人が特出できるのだと思います。

 料理の世界ではその差が品質管理にものすごく影響します。

よく器用なほうがいいですか? という質問を受けますが、
器用であったほうがいいですけど、それ以上に日々の努力を積み重ねられる人のほうが成長します。

 そのためには小さなミスにも真摯に向き合う姿勢が大事ですね。

 私は一流プロの条件は二つあると思っていて、
一つは高品質な仕事をすること。
そしてもう一つはそれを継続して行うことです。

二〇一二年に先ほどお伝えした改革を実行した後、二つ星に落ちたのは、
ミシュランのスタッフが私たちの料理のレベルや安定感を探っていたのだと思います。

再び三つ星をいただけるまでに五年もかかりました。

坂村真民さんの詩に「本気 本腰 本物」とありますが、
本気とは、自分で勝手に決めてしまっている限界を超えることだと思います。

車のリミッターと同じで、本当は三百キロ出せるエンジンがついているのに、
百八十キロまでしか出せない設定にしている。
そのリミッターをカットし、真の力を出すには本気になって打ち込むのみです。

本腰とはすべての責任を背負う覚悟。 

いつも逃げ腰で、人のせいにするような中途半端な人間は成長できません。

そして本物とは、ぶれない中心軸を持つこと。

時代や流行はどんどん変わりますが、本筋って意外と変わっていなくて、それに気づける人が本物でしょう。

 

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