教育格差につながる、子どもの“読書習慣”

ネット記事で「子供の読書習慣」について参考になるものがあったので紹介します。
「With Online」 というサイトです。

教育格差につながる、子どもの“読書習慣”。
東大出身者が語る、小学生のうちにやっておけば一生の財産になる習慣とは

モンテッソーリ教師のえり先生です。
プライベートでは小学生2人を育てています。
幼児を子育て中のママたちから多く寄せられる質問が
「お子さんが小学生になった今、振り返って幼児期にやっててよかったことって何?!」というものです。

 Instagramのフォロワーさんにアンケートをとったところ、圧倒的1位が読み聞かせでした。
 読み聞かせが何によかったのかも聞いたところ「本を好きになってくれた」
 「文字を覚えた」「行間を想像できるようになった」といったコメントも寄せられました。
 さらに子どもの読書について調査を進めるべく、
 今回は「読書習慣が声かけいらずで身につく、オンライン読書教育の習い事 ヨンデミーオンライン」
 を東京大学在学中に起業された、笹沼颯太さんにお話を伺ってきました。

ズバリ、読み聞かせの効果って?

えり先生(以下、えり):読み聞かせは小学生以降の読書習慣に関連があるのでしょうか?

笹沼さん:やはり、読み聞かせはしてるとしてないで全然違いますよね。
 子どもが本や読書に抵抗なく、ポジティブな感情で関わることができるというのが大きいです。
 幼児期の読み聞かせの頻度が高いほど、小1でのひとり読みの頻度も高くなるという調査結果も出ています。
 (ベネッセ教育総合研究所「幼児期の家庭教育調査(2018))

ひとり読みに移行するコツは?

笹沼さん:一方で、実は読み聞かせでは読書量を担保できるけど、ひとり読みになかなか移行できない、
 ひとり読みになると読書時間が減ってしまうというのがよく聞かれる悩みです。
 これは親御さんの世代と違って、Youtubeやタブレットのアプリなど
 魅力的な他の娯楽が広がっているという生活環境の変化があるんですね。

 えり:確かにそうですね。ひとり読みに移行するコツはありますか?

 笹沼さん:弊社の読書の習い事ヨンデミーオンラインで意識しているのは
 「楽しく、たくさん、幅広く」の順番に読書経験を積んでいくことです。
 まずは楽しくないと絶対に続きません。

 えり:楽しくってかなり主観的だと思うのですが、
 子どもごとの「楽しく」はどうやって把握しているのですか?

 笹沼さん:お子さんのレビューなどを基に、「読めるレベル」と「好み」を把握して選書をしています。
 好みに関しては、ジャンルはもちろん、その本のメッセージや、
 主人公のキャラクターなどもスタッフがデータ化して選書に生かしています。
 始めて1週間程度は簡単だな、と思えるレベルで読んでもらっています。

 えり:そこまで細かく分析されているんですね。

 笹沼さん:そうなんです。ヨンデミーオンラインを使ってくれている子どもたちは、
 3ヶ月経つと40%以上の子が毎日本を読むようになります。

 読書の環境の有無は、一種の教育格差ではないか?

えり:笹沼さんご自身がここまで読書教育に関心を寄せられているのはなぜなんでしょうか?

笹沼さん:僕自身、読書が好きで、例えば起業した時も本を読んで
 先人の経験や教えから学んだからこそ、起業できたんですよね。
 塾に通わず参考書だけで東大に受かったという仲間もいます。
 文学小説を読むことと、人のより細かな表情を読む能力に因果関係があるという研究もあります。
 読書って何をするにもベースとなる、最強のスキルだと思っています。
 スポーツでいうところの体幹のような存在。
 一方で、子どもが本を好きになったりたくさん読むことができるようになるには、
 選書や大人の声かけや対話など「環境が必要」なんですよね。
 でもこの環境って、全ての子どもに用意されているものではない。
 これはともすると、教育格差の一つと言えるんじゃないかと思っています。
 それをなんとかしたいと思っているんですよね。

 えり:親がやるべきは、勉強を教えるのではなく、読書習慣が身につく環境を用意すること。
 そうすると、子どもは読書を通じて自分で学ぶ力をつけていく、ということですね。
 人間関係についても、親が言って聞かせるよりも、本から学ぶとスッと心に響いたりしますよね。

小学生のときに1日30分の読書習慣をつけることが一生モノの財産に!

えり:読書習慣について、中学生からだと遅いということはありますか?

笹沼さん:中学・高校と読書離れは進行するのですが、小学生のうちに
 毎日30分以上読んでいると減り幅がかなり抑えられるというデータがあります。

えり:小学生の間に、楽しく、たくさん、幅広く読めるようになっていると、
 中高校生になって勉強が忙しくなったり、他の楽しみが増えても、読書量はある程度維持できるということですね。

読書の習慣化には「読書しない時間」も大事

笹沼さん:読書の習慣化に大事なことは、選書ともう一つあります。
 それが、「読書をしない読書体験」です。
 実は本をたくさん読める人って、読書と同じかそれ以上に、
 読書後に感想をシェアしたり、誰かと対話することが楽しいと思っています。
 ヨンデミーオンラインとしてはこの「読書をしない読書体験」の時間も習慣化のポイントと考えていて、
 AIキャラクターのヨンデミー先生が毎日、読書にまつわるミニレッスンを配信しています。
 このミニレッスンを毎日受けている子は、読書習慣がつきやすいことがわかっています。
 ミニレッスンだけでも受けると、毎日少しは本のことを思い出す時間が生まれるんですよね。
 そうするとちょっと読もうかなという気持ちがたまに生まれる。
 それが習慣化にはとても必要な「小さな一歩」なんですよね。
「本にまつわること」に毎日触れる時間を作ることが大事です。
本屋さんで本を選んでる時も、親子で学校の授業で習ったお話について対話することも、
親御さんが読んだ本の話をしてあげるのも、全部読書体験なんです。

 えり:そう言われると気が楽になりますね(笑)。
我が家の子どもたちは「ヨンデミー先生からレッスン来てるよ~」というと飛んできます。
ヨンデミー先生とのチャットのやりとりが楽しいようです。

 笹沼さん:そうなんですよね。今の子どもたちって、AIと対話することに対してリアリティを感じていて「ヨンデミー先生の好きな食べ物はなんですか?」と聞かれた時にはビックリしましたね。
近所のお兄さんお姉さんのような、ちょっと年齢が上の身近な存在であるように考えています。
えり:確かに親よりもヨンデミー先生からおすすめされた本の方が、すんなり読んでくれます(笑)。
小学校の中学年ぐらいから思春期が始まり、親離れしていきます。
人間関係などで悩んだ時にも、本からヒントを得られるような「しなやかさ」を獲得してほしいなと思います。

 子どもの読書離れは国も課題に感じている

今回は、東大在学中に読書教育サービスを起業された笹沼さんにお話をお伺いしました。
子どもの読書に関しては、国の法律で推進について定められていることをご存じでしょうか。
平成13年12月に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立し、施行されましたが、
「テレビ、ビデオ、インターネット等の様々な情報メディアの発達・普及や子どもの生活環境の変化、
さらには、幼児期からの読書習慣の未形成などにより、子どもの「読書離れ」が指摘されています」という報告があります。

引用:文部科学省HP 自然に任せていては、読書というスキルが獲得できない
今の子どもたちに、少しでも環境を与えてあげたい。
一保護者としてそう思いました。