寓話「接ぎ木をする老僧」

「座右の寓話」から紹介します。
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谷中の里に古びた寺があった。
寛永(江戸時代)の頃、将軍とお供の者が鷹狩りの帰りにこの寺に立ち寄られた。
ちょうどその時、八十歳になろうかという老僧が庭で接ぎ木をしていた。
将軍が「何をしているのか?」と聞いた。
老僧は「接ぎ木をしています。」と答えた。
すると将軍は笑って言った。
「あなたは年老いているので、今、接ぎ木をしても、
この木が大きくなるまで、命が続いているかどうかはわからないだろう。
だから、そのように心をこめてやる必要はあるまい。」

これに対して老僧は言った。
「よく考えてみてください。今、接ぎ木をしておけば、
後世の代になってどれもが大きく育っているでしょう。
そうすれば、林も茂り、寺もやっていけるでしょう。
私は寺のためを考えてやっているのです。
決して私一代のことをやっているのではありません。」と言った。
これを聞いた将軍は「老僧が申すことはまことであり、もっともなことだ。」と感心された。
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自分のことだけではなく、これからを生きる子どもたちや、
あとの人のことを考えて行動することができる人が増えれば
社会や日本はもっと良くなるでしょう。

いままでの先人たちも私たちにたくさんの素晴らしいものを伝えてくれました。
私たちも環境にしろ、考え方にしろ、いいものをのちの時代に遺していきたいですね。