『当たり前だと思ってた』(志賀内泰弘)
志賀内泰弘さんのギブ&ギブメルマガの「たった一言でコンテスト受賞作品
『当たり前だと思ってた』」から紹介します。
———————————–
<「たった一言エピソード」>
『当たり前だと思ってた』
台風のため早朝から停電。雨戸を出していたので暗い部屋での朝御飯。
電気の無い生活って、なんて不便なんだろう。
お湯はでない、コンロも使えない、パソコンも使えない、トイレの便座が冷たい。
丁度休日だったので何もやることがなくダラダラしていた。
そこへ祖母が起きて朝御飯を食べようとしていた。
停電には気づいていたらしい。
炊飯器からご飯をよそっているとき、
「ご飯炊けてて良かった。いつもやってもらってるし
停電がもっと早かったらご飯食べられなかったね」
と冷めてしまったご飯を食べ始めた。
「当たり前だと思ってた」
私はドキっとした。
機械がご飯を炊いていて当たり前という電気のありがたさではなく、
私の母が昨晩朝御飯の準備をしていることが当たり前という意味だ。
私と祖母の考えは全く違っていた。
例えば、夜に炊飯器のスタートボタンを押し忘れ翌日朝御飯を
食べようとしたら米と水だったなんて日は、そんな日もあるかと思いながらも不満に思う。
私は周りの人に頼るくせに、人が失敗すると文句を言う。
自分がやらないから周りがやってくれているのに・・・。
祖母はどうだろうか。周りの人の行いに対して感謝している。
そこが成功する人とそうでない人の違いだろう。
祖母は一日一日を有意義に過ごしていが、私は疲れたとグチをこぼす日々。
気付いた日から変わろうとしても、自分を変えるなんて大変ことだ。
でも、やってみようと思う。